35. ドキドキのテスト撮影

前回の記事から、だいぶ経ってしまいました。「結局、撮影はできたの?」という状態のままモヤモヤさせてしまったかもしれません。
機材の設置と調整は各種マニュアルの通りなので割愛しまして、40cmでどんな画になるの?という結論から書きたいと思います、といっても見ての通りです。

最初の対象はM81としました。
GSO16A(元は笠井トレーディングGS-400RC/TR)を使って撮影し、ささっと(というかまだ難しいことができない^_^;)画像処理してみました。

どうでしょうか?
シャープさという点では高級鏡筒にかないませんが、このクラスの長焦点では平均的といったところでしょうか?
露光時間が比較的長く取れたのでノイズリダクションは行いませんでした。

撮影は2日間行い、合計総露光は8.5時間です。
雲通過はありませんでしたので全コマWBPPに突っ込んでいます。

 
GSO16A , TSRCRED 0.8xレデューサーにてfl=2600mm F6.4
PlaneWave L-500 ノーガイド
ASI6200MM , Astrodon E-series Gen-2
PixinsightにてWBPP,DBE,SPCC,BXT,HT,CT

L: 34 x 180秒 = 102分
R: 19 x 180秒 = 57分
G: 17 x 180秒 = 51分
B: 17 x 180秒 = 51分
total 261分

L : 40 x 180秒 = 120分
R: 15 x 180秒 = 45分
G: 15 x 180秒 = 45分
B: 14 x 180秒 =  42分
total 252分
BIAS,DARKあり
FLAT,FLAT DARKなし
撮影している様子です。今回はこのデータを50%くらいにクロップしています。

ガイドしていないのに追尾エラーがなく、歩留まりほぼ100%というのは赤道儀がかなり高性能と言えると思います。OAGやガイドスコープによるPHD2オートガイドも行いましたがノーガイドと比べて等倍で見ても差が感じられない、むしろ気流を追って乱れてるんじゃないかと思える状態でしたので、しばらくはノーガイドでいこうと思ってます。
SubframeSelectorでL画像を見てみますと時間と共にだんだんFWHMが大きく乱れていく様子がわかります、気流が悪くなっていってるのでしょうか?あるいは大気差のせいでしょうか?M81なのであまり高度は変わらない対象だとは思うのですが。
もっと撮影して良い画像をセレクトすればさらに解像するのかもしれません。

 
前回の記事からだいぶお待たせしてしまいました、テスト撮影に向けてやっておかなければならないこと、例えばフィルターごとにピント位置が違うので、基準を決めて各フィルターのオフセット値を決定するのにかなり時間をかけました。真冬でしたのでリモートでなければ出来なかったと思います。
手持ちのフィルターのZWO,Antlia,Astrodonなどモノクロ用とIDASやQBPなどカラー用合わせて24枚をチェックし、MaxImDLのEFW設定に登録しておきましたので次からは生産性が上がるかと思います。
新たに導入した赤道儀はクランプフリーでバランスが重要という特徴がありますので、バランスウェイトの調整にも時間を費やしました(鏡筒に蓋をしただけでひっくり返ります)
 
さて、とりあえずテスト撮影も終わり概ね満足できる結果が得られましたので、観測所建設シリーズ記事はこの辺で終了にしたいと思います。
次回からは画像処理を勉強しながら、できれば作品と言えるようなものを投稿していきたいと思っています。
また、機材ネタでも、もっと詳細に説明できる部分はありますのでリクエストがありましたらコメントください。
 
2023-11-12 追記
レデューサー、フラットナーのご質問をいただきましたので1枚撮りを掲載します。GSO16A TSRCREDレデューサー ASI6200MM Luminanceフィルター
縦の光条は多分ですがシュラウドのヒモが垂れ下がっていたせいかと思われます。
右側の星像が若干伸びていますね。これは副鏡中心が2mmズレている(直せない!)ため、主鏡で打ち消すよう調整しましたが、それでも光軸が完全には合っていないことが原因の可能性大です