自家用カレンダーを作ってます

リモート観測所の運用も比較的安定してきましたので、リモートで撮影した写真をベースに月齢カレンダーを作ってトイレの壁に貼って毎日眺めたり、次はこうしようとか...

まあ、自己満足なんですが今年から始めました。どうせ三日坊主だろうなと思ってましたが意外にも続きましたので、恥ずかしながら公開したいと思います。
2月から始まっていますが1月は機材調整でバタバタしてて間に合いませんでした(笑)

 

2月は定番のM42オリオン大星雲です。
HDRも炙り出しもしてない素の状態です。ハハ、Pixinsight覚えたてなのでなんにもできないというのが正直なところです。モヤモヤした分子雲が見えていますので画像処理が上手になったら再処理しましょう。

ε-180ED,EM-400 GT-40オートガイド,ASI2600MM,Antlia LRGB

3月はZTF彗星(C/2022 E3)です。
実はこれ、かの有名な蒼月城先生に画像処理していただいたものです。
彗星の画像処理は昔は背景の星が流れているのが普通でしたが、今時のツール、たとえばStarnet++とかStareXterminatorで彗星と星を分離して、それぞれ処理した上で再度合成すればこのように彗星も星も流れずに見せることができるというわけです。
私自身もやり方は知っていましたのでやってみましたが、彗星の核付近に変な影が出てしまいどうしたものかと思っていたところ、蒼月城先生が誰かZTFの生データ提供しませんかとお誘いがありましたので、ここぞとばかりに押し付けてしまいました(笑)
いやー、こんな作品をトイレに飾るなんて恐れ多いことですが許してください。

CCA-250,EM-400 GT-40オートガイド,ASI6200MC,HEUIB II

4月はボーデの銀河ことM81です。
調整に出していた16インチRCが戻ってきましたので、テスト撮影としてまずメジャーなものを撮ってみました。ちょうど桜の時期でしたのでソメイヨシノをイメージしながら仕上げています。私の16インチRCは副鏡ズレとか波面誤差的にカタログスペックには届いていないなど廉価版鏡筒ならではの弱点はありますが、ある程度は画像処理で補って、一応見られる画にはできたかなと思います。

笠井トレーディングGS-400RC/TR改めGSO16A,L-500 ノーガイド,ASI6200MM,Astrodon E-seris LRGB

 

5月はりょうけん座のM94です。
この銀河は中心の明るいバルジ、HII領域の多い明るい渦巻き、比較的明るくて明瞭な渦巻き、少し離れてとても淡いリング(ジェームズウェッブの画像ではこれも星々の渦巻きでした)という四重構造をもつ興味深いものです。
6時間半の露出ですが外側の淡いリングがほとんで見えませんね。HDRあるいはマスクすればもっとマシにはなりますが、画像処理技術がまだまだです。
もっと取り増しして再挑戦したいです。

GSO16A,L-500 ノーガイド,ASI6200MM,Astrodon E-seris LRGB

 

6月はおおぐま座M101です。
左側の写真は昔懐かしの冷却CCDカメラSBIG STL-11000MをAO-Lという補償光学装置と一緒にかなり前に入手してあったものを実践使用できないかとテスト撮影したものです。当日、天頂近くにくる条件の良さそうな対象ということで適当にM101を一晩中撮影してみたのですが、その数日後に板垣氏がM101の超新星発見というニュースを見て、再度撮影したのが右側の写真です。数日という短い間隔で超新星爆発を撮れたのはラッキーでした。右の方が写りがいいのではとお思いでしょうが左の写真を現地で撮った後、カメラを元のCMOSに戻して帰ってリモートで撮影したものなのです。
やはり新しいカメラの方が感度が高いので同じ露出時間なら有利なのは否めませんね。
ただ2600mmという長焦点では3.76μmという極小画素はオーバーサンプリングだし、AO-Lもこれから試すという段階なので、まだしばらくはSTL-11000Mは使い続けるつもりです。

左:GSO16A,L-500ノーガイド,STL-11000M(AO-Lオフ),Astrodon I-series L
右:GSO16A,L-500ノーガイド,ASI6200MM,Astrodon E-series L

 

さて、こんな感じでカレンダーが続くかどうか自信はありませんが、本来の目的(家族の天文趣味に対する理解を得ること)をモチベーションに頑張っていきたいと思っています。