28. 「リモート」観測所で考えておくこと

リモート観測所建設の話を始めておきながら、ここまで「リモート」要素一切なし(笑)

リモート撮影についてはみなさんよくご存知と思います。ASI Airとかリモートデスクトップとかすでに使われてますよね。私もベランダリモート撮影や車内リモート撮影をやってました。これをインターネット越しで遠隔地から(私の場合は埼玉から栃木県日光市)行うというだけです。何かあったらすぐ駆けつけるという距離ではないので、いろいろ準備が必要になるのはご想像の通りです。

ということで、リモートデスクトップの使い方みたいな話は割愛させていただきますね。

いくつかポイントがあると思います。
・電源のオンオフはどうする?
・現地の状況監視は?(天気とか望遠鏡とか)
冗長化すべきか
・落雷/誘導雷対策
・セキュリティとか

 

最初は、遠隔電源操作からいきますか。

最近は安価なIoTコンセントがいろいろ出ていますが、台数が多いと結構な金額になってしまいます。私は明京電機のリブーターを使用しています。

とっても高いですね。でも型落ちの中古なら1万円以下で買えると思います、型落ちでも機能はほとんど変わりません。

コンセントが4口あって温度計もつけられるRSC-MT4Hがオススメです。

電源オンオフは当然できますが、

いきなり電源オフではなくシャットダウンさせてからオフにするとか、

温度が設定以上になったら換気扇を回すとか

 

本体の後ろに接点が4組あり、ショート状態になるとそれを感知して連動動作をさせることもできたりします。応用が効きそうですね。

 

このリブーターの初期設定はDIPスイッチをメンテナンスモードに切り替えてリセットするとIPアドレスが192.168.10.1となり、メンテナンス画面が表示されますので、運用モード時のIPアドレスを設定します。もちろん設定するPCは同一セグメントにないとアクセスできませんので一時的に192.168.10.2にして行います。

つまり、初期設定だけは現地で行う必要があるということになりますね。

というわけで遠隔電源制御は明京電機一択だと思います。

 

ついでに補足しますが、撮影用PCは物理的な電源ボタンを押せませんので、UEFIBIOSの進化版です)で、電源復帰時の動作をOFFからONにしておく必要があります。デフォルトはOFFになっていることが多いです。ONにしておくとAC電源が供給されると電源ボタンを押さなくても自動的にOSが立ち上がります。

赤道儀の場合はちょっと注意が必要です。例えばタカハシのEM-400はPCのような設定はなく物理スイッチのみです。したがって電源がONになるとPCから明示的に止めないと恒星時運転が始まってしまいます。気がついたら鏡筒がひっくり返っていたという事態もあり得ます。