観測所建設

35. ドキドキのテスト撮影

前回の記事から、だいぶ経ってしまいました。「結局、撮影はできたの?」という状態のままモヤモヤさせてしまったかもしれません。機材の設置と調整は各種マニュアルの通りなので割愛しまして、40cmでどんな画になるの?という結論から書きたいと思います、…

34. 撮影データの同期

リモート観測所で撮影したデータはどうするの?というのを書き忘れていました。 なんらかの手段でファイル転送しなければならないわけですが、データの保全も兼ねて、私の場合はNASを使用しています。リモート側のNASとローカル側のNASの2台です。どちらもQN…

33. セキュリティ

セキュリティといっても、この場合は平たくいえば防犯対策です。 囲われてない開けた土地では、建物が目立つだけに最も気を遣う項目でしょう。山の中ではご近所の目もないですし、室内には高価な機材があると知ってれば盗んで売り飛ばしてしまいたいと考える…

32. 落雷/誘導雷対策

冗長化で書きましたが、落雷、多いんです。 近所に20m以上の高い木が多いので直撃はないかもしれませんが、木に落ちて地面を伝わってアースから上がってくる(逆流雷)とか、電柱に落ちてAC電源からサージ電流が発生して機器がダメージを受ける(誘導雷)と…

31. 冗長化、何を?

何を冗長化すべきでしょうか? 冗長は普段使わないということですからリスクに見合った投資にしたいですね。リモート観測所運用で一番怖いのは予期しない停電です。ルーフを開いている時に停電したらどうなるか。まずインターネットが使えなくなり、ルーフを…

30. 現地の監視体制

天気予報以外にリアルタイムに知りたい情報ってなにかな〜 ・星でてる?、雲ない?・風は穏やかだろうか?・ルーフ開けて大丈夫かな?(雪積もってないかな) という観測所外部情報と、 ・望遠鏡の現在の向きとか・明かりがついてたり、蓋したままだったりし…

29. リモートデスクトップ(寄り道w)

えー、リモートデスクトップアプリについては、みんな知ってると思っていてスキップしようと考えていましたが、もしかしたら「リモート」で検索して来られる方もいらっしゃるかもしれませんので、少し触れたいと思います。 インターネット越し(あるいは同じ…

28. 「リモート」観測所で考えておくこと

リモート観測所建設の話を始めておきながら、ここまで「リモート」要素一切なし(笑) リモート撮影についてはみなさんよくご存知と思います。ASI Airとかリモートデスクトップとかすでに使われてますよね。私もベランダリモート撮影や車内リモート撮影をや…

27. ところでGS-400RC/TRはどうなってる?

光軸合わせで四苦八苦し、副鏡のセンターが怪しいということで田中光化学さんへ持ち込んだGS-400RC/TRです。 まず、持ち込んですぐに大型高精度平面鏡によるヌルテストです。人工星を平面鏡へ向けて、折り返されて返ってきた光をビームスプリッターで観察し…

26. スイングスルーってなんのこと?

赤道儀には1つのシリーズで大きさの違うモデルが用意されているのが普通です。どのモデルを選べばいいのでしょうか?ドイツ式赤道儀の場合は、搭載可能重量が一つの目安になりますね。フォーク式の場合はどうでしょう?下の図を見てみますと、北天を向いた…

25. 海外ショップとの交渉 WoodlandHills@Telescope.net

" data-en-clipboard="true">WoodlandHillsには、まずMathis Instrumentsのハイブリッドモデルについて尋ねました。 <Telescope.netより 2022-07-07 07:56>フォークマウントは基本3機種をご用意しております。MI-500、MI-750、Mi-1000の3種類です。また、小型の極座標に大型のフォークを搭載した</telescope.netより>…

24. 海外ショップとの交渉 OPT

" data-en-clipboard="true">交渉とはいっても値引き交渉ではなく、こちらの要件を伝え、アドバイスを貰いつつ仕様を固めていくという作業です。メールベースで充分意思疎通できますので英語翻訳ソフトで通じます。 " data-en-clipboard="true"> まず、OPTに…

23. Mathis InstrumentsとPlaneWave

Mathis Instrumentsはデザインが同じでスケール違いが数機種ラインナップされています。しかも赤経モータ部分とフォーク部分を別々に組み合わせることが可能のようです。鏡筒重量は重くはないけどカメラ含めてセル側が長い場合は、1ランク上の長いフォーク…

22. 代わりの赤道儀

RST-300の運用に目処が立たないので、代わりの赤道儀を探さなければいけません。どうせ据え付けなんだから国内の天文台とかに使用されている赤道儀メーカーでもいいんじゃないか?などと金銭感覚麻痺の症状が出ています。重度の新型ポチリヌス感染症ですね。…

21. フォーカサーはどうするか?

えー、時系列にはなっていませんが、GS-400RC\TR鏡筒のフォーカサーについての話になります。 標準で付属する接眼部は手動のクレイフォード式です。知っての通りGSのクレイフォードは評判が悪く、海外のフォーラムを覗いても、このパーツがネックで交換必至…

20. メイン鏡筒の行方は?

赤道儀と並行して、メインとなる長焦点鏡筒を手配していました。 途中、C14の中古が格安だったりして迷いましたが、笠井トレーディングのGS-400RC/TRを発注してました。 お金があればハッブルオプティクス、PlaneWave、ASAなどよりどりみどりですが、みんな…

19. RST-300がおかしい?

観測所の建設と同時に、これまで遠征、近征でメインで使用してきたEM-400をサブとして、新たにRST-300というハーモニックドライブ赤道儀を導入しました。 これが曲者で... ガイド星がシャープでないということもあるでしょうが、この精度では超焦点では使え…

18. 極軸が合わない!

赤道儀は据付で運用しますから、ピラーを床にアンカーで固定しています。アンカー位置は赤道儀の方位調整範囲にさえ収まっていれば厳密に位置合わせしなくても問題ありません。収まっていれば...w 方位の確定は、通常は太陽の南中時刻に影が落ちるところが天…

17. 機材のセットアップを開始(ここから苦悩が始まる...)

ここまで特に問題もなく順調に進んできたかに見えますが、ここからが沼の始まりです。 まずルーフ開閉の遠隔操作の話になります。 ニッシンドームの遠隔操作画面です、シンプルですね。独立したWindowsアプリケーションとなっていて同一セグメントのどのPCか…

16. 機材の配置

本来、スライディングルーフを選択する際に考えておかなければならないことですが、記事の都合上、掲載を後回しにしていました。 使用予定の機材が壁などにぶつかることなく運用できるか?砂漠の真ん中ではないので地平線まで見渡せる必要はありませんが、高…

15. 電気工事

電気工事は普通は電気屋さんに依頼するのですが、資格取得費用を持ってくれれば自分がやってもいいと息子が言ってくれましたので、それに甘えてしまいました。 簡単な図面ですがこんな感じです。山小屋の床下は結構スペースがありまして、高さ1mくらいかな?…

14. EM-400のメリディアン化

以前、タカハシの赤道儀にメリディアンシリーズがあったのを覚えていますでしょうか?いつの間にか消えてしまいましたよね。赤経軸を伸ばして子午線反転を極力回避するというコンセプトでしたが、なんか不安を感じるデザインでした。搭載重量もノーマルタイ…

13. RST-300について

RST-300が届きましたので早速開梱。 ハーモニックとはいえ搭載重量50kgとなるとさすがにずっしりしています。 とはいえ、EM-400(搭載重量35kg)に比べればとても軽く、遠征でも使えそうなくらいです。 高度目盛と高度があっていないのはご愛嬌でしょうか? …

12. 赤道儀の決定とピラー自作

なんやかやで(端折りすぎ?)新しい赤道儀はRST-300に決めました。CRUX-200HDより搭載重量が大きく、価格もCRUXに比較すれば安い(それでも高いですが)という理由です。精度とかユーザーが少ないので見当たらないのが不安ですが。 買うと決めたらもう次の…

11. スライディングルーフが来た

完成したスライディングルーフが名古屋から栃木までトラックに乗ってやってきました。トラックのチャーターはニッシンドーム側で手配、受け入れ側の準備(クレーン車とか作業員)はこちらが手配しました。 建設会社はクレーン車などの重機の扱いに慣れていま…

10. 赤道儀再考

赤道儀をどうするか、あまり考えていなかったので将来像をイメージしてみました。 ・撮りたい対象 → 遠い銀河「も」撮りたいな、3000mm以上をドライブできる赤道儀が欲しい、たぶんEM-400では無理でしょう。 ・今持っている鏡筒は全部活用したい → EM-400は…

9. 工事開始!

基礎工事が始まりました。私はみてるだけw 大きな切り株に手こずってます。 溝ほりが終わって捨てコンを打ったところです。 型枠作って鉄筋を入れます。 だんだん形になっていきます。 このバックホー欲しい。 基礎が固まったら鉄骨架台の組み立てです。 あ…

8. 観測所を設計(の真似事w)

実のところ、スライディングルーフ以外は基礎からDIYでやりたいと思ってました。そのために小型建設機械の資格を取りましたが、生コンの打設は一人では難しいことがわかりました。少なくともポンプ車のホースを持つ人とバイブレータ(隙間なくコンクリを充填…

7. 伐木のキーパーツ

さて、覚悟を決めたところでリソースの確保です。 まず、当たり前ですがチェンソー。 小さいのは樹上作業用、手持ちでエンジンを始動でき、片手で作業ができるトップハンドル型です。 大きいのは降りてから根元に切り口を入れたり、玉切りしたりするための20…

6. 空師(そらし)の作業を見学

建物や狭い場所の高木は、重機が入れなく、当然単純に倒すわけにもいきませんから、人が登って上から切ってロープで静かに下ろします。 3日間に渡り、機材、木の見方、体の使い方の一部始終を観察させてもらいました。一般的には企業秘密に当たるので人には…