18. 極軸が合わない!

赤道儀は据付で運用しますから、ピラーを床にアンカーで固定しています。
アンカー位置は赤道儀の方位調整範囲にさえ収まっていれば厳密に位置合わせしなくても問題ありません。収まっていれば...w

方位の確定は、通常は太陽の南中時刻に影が落ちるところが天の北の方向となることを利用します。
ところがアンカーを設置したのは6月下旬で梅雨の真っ最中でしたので太陽が出ません。
そこでコンパスを使い、偏角を考慮した上で南北の墨出しをしました。
偏角とは天の北極と磁針の指す北との差です、地域によって違い、この辺は約7°ズレています。

これが失敗でした。

コンパスの磁針がスライディングルーフの鉄骨の影響を受けていました。
その時は気づきませんでしたが、ルーフの中と外に出て林の中では確かに少し異なります。

赤道儀の方位ネジを限界まで寄せてもわずかに天の北極へ届きません。

がっくりして写真も撮ってないのですが、その後どうしたかを書きます。

コンクリートピラーは、先に床にアンカー穴を開け、アンカーボルトを刺した状態でコンクリを流し込んで作りました。したがってピラー側にアソビはありません。
床のアンカー穴を開け直すことも考えましたが、知ってる人は知ってると思いますがハンマードリルで1mm以下の正確さで穴を開けることはできません。1mmズレていたらアンカーボルトをねじ込むことは不可能です。

そこでコンクリートピラーのアンカー穴をハツって50mm程度に広げ、大型の平ワッシャで押さえるという手段にしました。
一旦硬化したコンクリートを削るのは容易ではありません、鉄筋が入っているのでホルソーももちろん使えません。ハンマードリルとタガネでひたすら削ります。
ルーフ内は砂埃が舞うので鏡筒や赤道儀は一旦避難です。

 

コンクリートピラーも一旦移動しなければなりませんが、重すぎてびくともしません。
単管で支柱を組んでレバーホイストで持ち上げ、トロリーで横に移動し、改めて正しい南北線の墨出しをします。

 

ついでに押しネジを4箇所に設置しました。