25. 海外ショップとの交渉 WoodlandHills@Telescope.net

WoodlandHillsには、まずMathis Instrumentsのハイブリッドモデルについて尋ねました。
<Telescope.netより 2022-07-07 07:56>
フォークマウントは基本3機種をご用意しております。MI-500、MI-750、Mi-1000の3種類です。また、小型の極座標に大型のフォークを搭載したハイブリッドモデルも提供しています。これらのモデルは、適度な重量のチューブアセンブリで、より大きなスイングスルーとより大きなアームセパレーションを必要とする方を対象としています。ハイブリッドモデルは、MI-500ポーラーベースにMI-750フォーク、M-750ポーラーベースにMI-1000フォーク、そしてMI-1000ポーラーベースにMI-1250フォークがあります。

やはり赤経部と赤緯モーター含むフォーク部は別な機種を組み合わせられるようです。
 
<Telescope.netより 2022-07-07 8:51>
MI-750のフォークマウントは、大きな遅れもなく、約2ヶ月の納期で入手可能です。MI-750は口径16~20インチ程度の望遠鏡用に設計されています。実際には、望遠鏡の口径ではなく、ペイロードが制限となります。 私たちは200ポンド以下のペイロード(MI-750)を推奨します。 大型のOTAの場合、カスタムフォークハブを使用してアームの分離を調整することができます。  ほとんどの場合、Planewave Instruments社の軽量チューブ設計のスタイルでOTAを扱っています。  OTAは、Losmandy(0.250インチ)、Planewave(0.750インチ)、またはカスタム(0.50インチ)のダブテールプレートを使用してフォークアセンブリに接続されます。 サイドリアル・テクノロジー社のサーボ2コントロールを標準装備しています。 OTAの寸法と、予定されている望遠鏡の桟の仕様の詳細が必要です。当社の赤道儀フォークマウントのラインナップについては、添付のセットアップガイドをご参照ください。よろしくお願いします

納期を聞いてみましたが、めちゃくちゃ返信が早いですね。続いてエンコーダーについて聞いてみました。
 
<Telescope.netより 2022-07-08 07:41>
高分解能のエンコーダーを使用すると、マウントの位置は1秒間に何度も補正されます...それがなければ、補正はガイドパルスの後にしか行われません。
マウントのエンコーダーをオン・オフすると、ガイディングが著しく悪くなります。それが実際に重要かどうかは疑問です。ガイディングの実効値が本当に0.5秒以下になると、ほとんどの使用例であまり利点はありません。しかし、迅速な補正サイクルは、風の影響を非常に受けやすくなります。 また、適切なポーラーアライメントと優れたマウントモデルがあれば、長時間露光のイメージングも可能であるばかりでなく、簡単に達成することができます。
最後に、エンコーダー絶対的なものであれば、マウントは常に自分がどこに向いているかを知っています。電源が切れている間、何をやっても迷子になることはありません。これは、遠隔地に設置する場合、とても便利な機能です。電源を入れるだけで、自分がどこを向いているのかがわかるのです。
 
翻訳がアレですが”絶対的なもの”というのは、位置情報の絶対値を持っているということだと思われます。
 
<Telescope.netより 2022-07-11 23:32>
このOTAはLosmandyスタイルのオス型ダブテールプレートを持っているようです。 この鳩目の外側の幅を知ることで、フォークアームの分離をあなたのOTAに合わせることができます。 1mmの精度が必要です。  この質問に対する答えを返信してください。
MI-750フォークマウントには、以下の部品が含まれています。観測桟橋の上部に取り付けるポーラーアッセンブリー赤道儀サーボモーター駆動部 15インチRAウォームギアと12インチDECウォームギアお客様の望遠鏡に合わせてカスタマイズされたフォークアッセンブリー フォークバランスに必要なアームウェイトサーボIIコントロール標準装備組み立てに必要な工具とステンレス製ハードウェアPDF 版ユーザーズガイドオプションのレニショーエンコーダは、ポーラーコーン内の極軸に取り付けられています。 これらについては、お送りしたセットアップガイドの 41 ページで詳しく説明しています。 エンコーダは、望遠鏡、ファインダー、ガイドスコープ、マウントフォークアームに取り付けられたものなど、マウント全体におけるトラッキングを最適化します。 Dec軸は屈折のための非常に小さな調整を除いてトラッキングしないので、エンコーダは通常RA軸のみに使用されます。

片持ちフォークではないのでフォークアームの間隔を鏡筒に合わせて精密に加工する必要があるようです、あいにく鏡筒はチューニングで出かけていて、聞いてみたら今はバラバラになっているとのこと (笑)
 
<Telescope.netより 2022-07-12 07:41>

これはアストロフィジックス社のウェブサイトhttps://www.astro-physics.com/dovelm162(3クランプ)です。D-style "Saddle-Plate "中央の3つ目のクランプの追加により、DOVELM162はLosmandy "D-style" または7インチ以上の他の "D-style" ダブテールプレートを少なくとも2つのクランプで固定することができるようになりました。
より長く、安全対策として3つのクランプを備えているという点で、この製品を選択されることをお勧めします。このアリガタプレート2枚にしましょうか?

ああそうか、フォークアームの両側にアリミゾプレートが必要なんですね。次にピラーにはどうやって接続すればいいのか聞いてみました。
 
<Telescope.netより 2022-07-13 04:32>
桟橋プレートは標準装備です。 このプレートは、直径15インチ、厚さ1.20インチです。 直径10インチの穴が開いていますが、お客様のご要望に応じてカスタマイズすることができます。  ベースプレートとポーラーアセンブリは、ピアプレートに取り付けます(PDF 写真)。レニショーのエンコーダについては、150mm の RA エンコーダの価格が 3,400 ドルです。 前述の通り、赤緯軸にはエンコーダは必要ありません。レニショーのRAエンコーダは、ポーラーコーンの内側に設置します。  レニショーのエンコーダは高価なため、当社のマウントの注文のうち、この機能を要求するのは 40% 程度です。  なお、RA ウォーム軸には、PEC センサーが標準装備されています。 (セットアップガイドの 41 ページを参照)。


”桟橋”とはピラーのことです。ピラー側のインターフェースはこれで製作してくれというわけです。しかしエンコーダー1個で$3400ドルとは。
 
<Telescope.netより 2022-07-15 05:08>
MI-750Fのマウント(エンコーダーなし)は23,500ドルです。
レニショーのエンコーダーについては、150mmRAエンコーダーの価格がプラス3,400ドルです。
アドバイスいただければ、見積書を作成してメールで送ります

これに梱包料と送料がかかるようです。
高いっちゃ高いですが、国産機を見てきましたので麻痺してます(笑)
 
<Telescope.netより 2022-07-20 04:43>
MI-750には以下のものが含まれます。
サーボIIコントロール
サーボII PECセンサー
ピアプレートカスタマイズ(穴の追加)
フォークハブのOTAへの調整
ダブテールプレートに合わせたフォークアーム幅のカスタマイズ
フォークアームウェイト
PDFインストールマニュアル
ピアプレートの穴。
桟橋プレートの取り付け穴は直径0.50インチ(12mm)です。 穴は直径12mmまたは0.50インチのハードウェアを使用したソケットヘッドキャップスクリュー用にカウンターボーリングされています。 ボルトサークルは直径10インチ(254mm)です。 これらの数値は、必要に応じてカスタマイズすることが可能です。
サーボ2はマウントモデリングがあるので、ポインティングは非常に正確(1アーク分以下)です。 長時間露光(1時間以上)すると、屈折の関係で赤緯(アーク秒)にわずかなずれが生じます。 レニショーエンコーダを搭載する主な理由は、赤経ラッキングの精度を非常に高くするためです。   赤緯については、このような問題はありません。 また、長焦点距離のカメラ機器を使用しない場合(優れたシーイングで 2 メートル以上)、これらは大きな問題ではありません。
レニショーエンコーダ(RA)は、使用するソフトウェアに関係なく常に動作しています。レニショーエンコーダ(DEC)は、$2600- の追加料金です。
原点復帰センサーは、マウントの両軸に取り付けられています。 マウントをリモートで使用する場合、これらは必須です。  使用中に天文台の電源が切れると、天文台は自分がどこにいるのかわからない「ダム」状態になってしまいます。 ホーミングを使えば、リモートでマウントを既知の経緯度に移動し、現在の時刻と天文台の位置から、天空の赤道儀の位置を再確立することができます。
天文台に観測者がいれば、ホーミングは必要ありませんし、使うこともありません。 望遠鏡は通常、定位置に「停まって」います。 次の「電源投入」時に、望遠鏡は「駐車を解除」されます。 現在の時刻と天文台の位置で、望遠鏡の天空での位置がわかります。- 原点復帰は必要ありません。  サーボII用RA/DEC原点復帰システムは$900で取り付け可能です。
そこで問題です。 この望遠鏡は、電源を失う可能性のある遠隔地で使用されるのでしょうか?
 
だんだん煮詰まってきました。リモートで運用し、使わないときは電源を落としている旨返信しました。そして、以前から漠然と感じていた疑問をぶつけてみました、エンコーダーは天体導入の役に立つことはわかりますが、ガイド精度を上げることはできるのか?という疑問です。
 
<Telescope.netより 2022-07-26 0:23>
一つの提案として、Sidereal Technologyのマニュアルをダウンロードしてもらってはいかがでしょうか。  行ってみてください。https://www.siderealtechnology.com/index.htmlダウンロードするマニュアルは2つあります。サーボコンフィグマニュアル-サーボ2のセットアップについてサーボコントローラマニュアル- サーボ2コントロールの機能どちらのマニュアルもやや字数が多いのですが、重要な項目は網羅されています。ドライブのセットアップ(ギア比など)に慣れているか?ポーラードリフトのアライメントに詳しいですか?多くの星の位置を使用したマウントのモデリングに慣れていますか?また、サーボモーターのセットアップについて書かれた簡単なセットアップマニュアルを添付していますので、これを参考にするとよいでしょう。
 
この文書を指しています。
ServoConfig Manual  – setting up the Servo 2
Servo Controller Manual. –  features  up the Servo 2 control
望遠鏡が今どこを向いているか、望遠鏡自身が知ることができるためにエンコーダーが有用であり、風などの外部条件で動いてもサーボを働かせて目標からぶれることがない。と私は理解しました。つまりノータッチガイドには非常に有効ということですね。オフアキなどによるオートガイドに何らかの影響を及ぼすかは読み取れません。
エンコーダーによるノータッチガイドvsオートガイドや、オートガイド中にエンコーダーをオンオフする(できればですけど)は実地でやってみないとわからないということになります。
Mathisの件を読むと気がつくかもしれませんが、
高分解能のエンコーダーを使用すると、マウントの位置は1秒間に何度も補正されます...それがなければ、補正はガイドパルスの後にしか行われません。
マウントのエンコーダーをオン・オフすると、ガイディングが著しく悪くなります。それが実際に重要かどうかは疑問です。ガイディングの実効値が本当に0.5秒以下になると、ほとんどの使用例であまり利点はありません。しかし、迅速な補正サイクルは、風の影響を非常に受けやすくなります。 また、適切なポーラーアライメントと優れたマウントモデルがあれば、長時間露光のイメージングも可能であるばかりでなく、簡単に達成することができます。
 
という回答があります。Mathisに採用されているレニショーエンコーダーの分解能は1800万カウントで0.1秒角レベルです、PHD2などのオートガイドではどうでしょうか?
EM-400ではトータルRMS 0.50"くらいだったかと思います。ということはオートガイドで修正される前にエンコーダーで修正されるということになるでしょうか?
これはいずれ確認したいと思います。
 
なお、現在の私の撮影スタイルは、こんな感じです。
・望遠鏡をホームポジションにする
プラネタリウムソフトで対象を自動導入
・試写して対象が見当たらない場合(ほとんどコレ)、プレートソルブ実行
・何とか対象が入っているがドンピシャではないので、手動で微調整
鏡筒の焦点距離やPCの性能に依存しますが、結構手間暇かかります。
これがスキップできるならエンコーダーはありかなと思います。
 
今度は、エンコーダーを両軸に標準装備しているPlaneWave Lシリーズについて聞いてみました。

いきなり見積書を取りました(笑)
L-350です。銀行振込の場合は値引きされます。

<Telescope.netより 2022-07-1 23:54>
おはようございます。
昨日午後のメールの続報です。
L-350は今月末に出荷できる予定です。ウェッジは銀行振り込みの入金日から4-6週間のリードタイムとなります。
 
早い!
 
製品保証を聞くとこんな回答がありました。
<Telescope.netより 2022-07-2 1:37>
Planewaveの保証書リンクはこちらです... https://planewave.com/warranty/
具体的には、マウントの保証について  保証サービスの受け方
24インチ以下の望遠鏡、およびLシリーズマウント。
1) PlaneWave社に連絡し、保証サービス券を発行してください。電話:(310) 639-1662、営業時間内(月~金、東部時間9時~17時)、Eメール:support@planewave.com。
2) PlaneWave の技術スタッフと協力して、問題を診断します。
3) 製品を梱包し、出荷ラベルまたは輸送容器の外側に発行された返品承認番号を明記して、PlaneWave に発送してください。PlaneWaveへの製品発送費用はお客様のご負担となります。
4) PlaneWave は、製品が製造上または材料上の欠陥があるかどうかを検査し判断します。返品された製品が保証対象であると判断された場合、PlaneWaveは製品の全部または一部を修理または交換し、返送料を見積もり請求し、製品をお客様に返送します。
5) あるいは、PlaneWave の判断により、PlaneWave の技術スタッフが軽微な修理を行うために必要な交換部品を発送することもあります。
この場合、Planewaveへの発送とお客様への返送の両方がお客様の責任となります.... ウッドランドヒルズカメラ&テレスコープ社は、お客様とPlanewave社との「インターフェース」となります。
 
一方で、私はPlaneWaveに直接、技術的な質問をメールしましたが何も回答がなく次第に不信感がつのってました。そこでこんな失礼なメールを出しています。
<Telescope.netへ返信 2022-07-6 8:27>
こんにちは。
先日メールしました以下の質問はあなたがPlaneWaveへ確認していると思います。
私は直接PlaneWaveに何度も質問をしていますが一度も返信してもらったことがありません。私の友人も購入を検討していますが同様です。
どうやら代理店のない日本からの問い合わせには一切対応しない方針のようです。
そのため、日本ではPlaneWaveに不信感を持っている人たちが多いです。私は不安になりました。
高価になるのを承知でMathis Instrumentに変更しようかと考えています。御社ではMathis Instrumentも取り扱っていると思いますので、改めてMI-500の見積りをお願いしたいと思います。
MI-500で自動導入システムを構成し、ASCOMで制御するために必要な機器を含むリストと金額、納期を教えていただくことは可能でしょうか?

これに対して、

<Telescope.netより 2022-07-22 8:46>
私たちはPlanewaveのNo.1ディーラーです... 私はPlanewaveの製品を使った経験から、ここWHCTで働くことになりました。
Planewaveのサポートには何の問題もありません。私は週に何度も彼らと取引しているので知っています。
彼らの製品の品質はどこにも引けをとりません。
L-500マウントを検討されるなら、間違いはないでしょう。
 
PlaneWaveは取引のない相手と直接のやりとりはしない方針のようです。
ショップが確実に仲介してくれるのであれば問題はないでしょう。
実際、ショップからのPlaneWaveへの問い合わせに対してはすぐさま回答していますので。
発注前にちゃんと収まるかをシミュレーション
本当は、鏡筒がどんな姿勢でも雨センサーが作動し自動閉しても衝突しないことが要件でしたが、このスライディングルーフと鏡筒ではどうやっても無理だとわかりました。
当面、雨センサーは無効にして居眠りとかしないよう運用するしかありません。
雨センサーと連動して鏡筒をホームポジションへ移動しルーフを閉じる方法は別途考えたいと思っています。
他に懸念としては、南側へ限界まで寄せていますので赤道儀ウェッジの高度・方位調整ねじをレンチで回せるクリアランスがあるかどうかです。

まだ確認することが残ってます。
赤道儀を床にどうやって固定するかです。
PlaneWaveのサイトには関連するドキュメントがありました。

この図面の通りにピラーの上部を製作すれば良いことになります。
先ほどのシミュレーションでは、ピラーで嵩上げすると天井に当たる確率が高くなりますので、できる限り不動点を低くする必要があります。
この図はインストールマニュアルにある赤道儀ウェッジの下面の仕様と一致しています。

そこで、分厚い鉄板を加工して台とし、床にアンカーで固定した上で、ウェッジを取り付けるという方法にしました。ミリとインチが混在する仕様ですが特に問題は無いようでした。
 
ちなみに今回の図面は全てJw_cadというフリーソフトで書いてます。
物によっていろいろ発注先を変えていますが、PDFで良いというところやCADデータを送ってくれというところもありました。データを送れというところは本職のCADソフトを使用していますのでJw_cadの標準フォーマット.jwwは受け付けません。
DXFやSTLなど相手の指定したフォーマットがありますので、Jw_cadからその形式でエクスポートします。
 
さて、もう一つパーツが必要です。
鏡筒を赤道儀に取り付けるためのアリガタです(海外ではドブテイルと呼ばれてます)
この図面はPlaneWaveのCDKシリーズに標準で使われているもので、Lシリーズも標準ではこれを受けるアリミゾが添付されます。(ロスマンディに変更することも可能ですが)これはCDKのパーツなので自分の鏡筒用に別途製作しなければなりません。
チューニングしていただいている田中光化学さんにお願いして鏡筒側のプレート作成を依頼しました、鏡筒のフレームにも加工が必要だからです。

アリガタの方は鏡筒側プレートと仕様を合わせて私が設計し、別の会社へ製作依頼しました。

 
でかいです、重いです、ケチらないで肉抜きすればよかったかもしれません。
 
L-500の見積もりを取りました。

ん?何やらSliding Weight Accessoryという頼んだ覚えのないものが混じってますね。


おそらくアウトサイドにCCA-250を同架したいと言ったので気を利かせて入れたのだと思われます。この赤道儀はクランプフリーで完全にバランスを取る必要があり、どの方向にも抵抗なく片手でくるくる回せるくらいでないといけないようです。
必要そうに思えるのでこのまま発注しようと思います。
が、まだ技術的な話があると伝えたところ、PlaneWaveのLシリーズ担当者の連絡先を教えてくれました。話しておくから彼に聞いてみてくれとのことです。
やっと直接PlaneWaveと話ができることになりました。
 

24. 海外ショップとの交渉 OPT

交渉とはいっても値引き交渉ではなく、こちらの要件を伝え、アドバイスを貰いつつ仕様を固めていくという作業です。メールベースで充分意思疎通できますので英語翻訳ソフトで通じます。
 
まず、OPTにはL-350にGS-400RC/TR(海外ブランドはGSO16)が載せられるかという質問をしました。
<OPTより 2022-06-30 0:45>
お待たせしました。今日、運賃の見積もりを出す予定です。Planewaveから、L-350にGSO16インチをマウントすることを検討されているとのことで、ご連絡させていただきました。このスコープの重量は約92ポンドで、L-350は100ポンドを収納することができます。このスコープの重量は約92ポンド、L-350の耐荷重は約100ポンドで、さらにアクセサリーを追加するとなると、重量制限に引っかかります。L-350ではなく、L-500をお受け取りになることを考慮されるとよいかもしれません。リードタイムとしては、L-350は12月に入荷予定です。L-500は9月に入荷予定です。また、ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。
 
L-500の方が良いでしょうというアドバイスでした。
これ以降、ほぼ同時に相談したWoodLandHills@Telescope.netでどんどん話が進んでいきましたのでOPTとはこれきりになってしまいました。
 
アメリカの場合、時差が9時間程度ありますので送信時間によってはほぼリアルタイムに返事が返ってきます。
アメリカ内でも6種類の時差があり、さらにサマータイムでずれたりします

海外の多くのショップは、会社として顧客に応対するのではなく、特定の顧客と特定の社員がマンツーマンで対応することが多いです。この商慣習はメーカーも同じで、一見の人が問い合わせても誰も対応しないというケースがあります。PlaneWaveがまさにそうでした。
 

23. Mathis InstrumentsとPlaneWave

Mathis Instrumentsはデザインが同じでスケール違いが数機種ラインナップされています。しかも赤経モータ部分とフォーク部分を別々に組み合わせることが可能のようです。鏡筒重量は重くはないけどカメラ含めてセル側が長い場合は、1ランク上の長いフォークに変更することができます。フォークが短いと北天に向けた時にカメラがマウントに衝突してしまいますからこれはいいコンセプトです。

表を見るとGS-400RC/TRは16インチですからMI-500/750フォークマウントがフィットしそうです。

オプションも見てみます。
ウォームホイールは黄色いブロンズが普通なのかと思ってましたが、アルミが標準なのですね、ちょっと意外です。制御する電装パーツは3種類から選べるようです、しかも社外品です、こういうオープンな姿勢が自社に余計なリソースを抱えず、かつ製品寿命を伸ばすということを国産メーカーも見習って欲しいものです。
あと気になるのはエンコーダーですね、レニショーエンコーダーは他の資料を見ると0.1秒角の読み取り精度を持ちます。国産機の”高解像度”エンコーダーは7.5秒角ですから時代がずれているというしかありません。

では、PlaneWaveも見てみます。
最大の特徴はダイレクトドライブでウォームギアがなくバックラッシュが皆無ということですね。ダイレクトドライブで思い出すのはレコードのターンテーブルですねぇ、ワウフラッター(回転の揺らぎ)がないということで昔、話題になった記憶があります。
高解像度エンコーダーが標準装備というのもポイント高いです。両軸エンコーダー単体で$6000もするのにこの価格はむしろ破格のような気もします。
あとは片持ちフォークゆえのデュアルマウントでしょうか。
搭載重量的には1ランクしたのL-350でもいいのですが、私の鏡筒ではフォークの長さが足りず、カメラがマウントに衝突してしまいますので買うならL-500でしょうか。
※ 当初はL-350を検討していました、スイングスルーできなくても天の北極付近を諦めれば使用可能かと思っていましたが結局それは間違いでした。

こういった基礎知識を押さえた上でショップとの交渉が始まりました。

22. 代わりの赤道儀

RST-300の運用に目処が立たないので、代わりの赤道儀を探さなければいけません。
どうせ据え付けなんだから国内の天文台とかに使用されている赤道儀メーカーでもいいんじゃないか?などと金銭感覚麻痺の症状が出ています。重度の新型ポチリヌス感染症ですね。とはいえ、RC鏡筒はチューニングに出してしまって使う気満々ですから、これを振り回せる赤道儀は神の怒りに触れても買わねばなりません(笑)

 

さて国内の赤道儀メーカーはどんな状況かな?
昔、憧れた大型赤道儀の名前を思い出すと...

西村製作所 → もうアマチュア向けの事業はやってないらしい
三鷹光器 → こちらもやめたらしい(最近受注生産で注文を受けてるようです)
昭和機械製作所 → 元気そうです、エルボー式とかカッコいい
中央光学 → やってます、かなりゴツいデザイン
五島光学 → 大型機は見当たらないですね
エルデ光器 → 片持ちフォークすごい

という状況でしたので、昭和機械、中央光学、エルデ光器にコンタクトしました。
当方の事情を説明し、カスタマイズ可否、(カタログ上の)性能、納期、価格を検討しました。
当方の事情ですが、スライディングルーフのため天井が低く、少なくともホームポジションで格納できなければいけません。標準では各社ともドームを想定して設計されているようで不動点が高すぎます。カスタマイズで不動点を下げることが必須です。

いろいろやりとりしましたが結果だけ記載しますね。
昭和機械 25EL.       :368万+カスタマイズ費、エンコーダなし、ASCOM対応なし
中央光学 L30          :306万 + カスタマイズ費、エンコーダあり、ASCOM対応なし
エルデ光器 L300II  :325万+ カスタマイズ費、エンコーダあり、ASCOM対応なし 

ふぅ、高っか。
みんなASCOMは無視して独自システムとセットにしてるから高くなるんじゃないの?
不動点を下げるカスタマイズ費用が不明だし、重量が500kgとか、うちの床耐えられないような気がします。納期18ヶ月なんてもってのほかだし。

 

大物の個人輸入はちょっと不安だけど海外メーカーはどうでしょうか?

Astro-Physics
10micron
Mathis Instrument
PlaneWave
ASA
SoftwareBisque

あたりでしょうか?

不動点を下げるのは、やはりフォーク式が有利ですね。
となるとMathis InstrumentとPlaneWaveとSoftwareBisqueに絞られそうです。
Mathis InstrumentとSoftwareBisqueは両持ちフォークでPlaneWaveは片持ちフォークですね。海外の個人天文台の写真で見かけるのは、以前はAstro-Physicsや10micronやSoftwareBisqueが多かった気がしますが、最近はMathis InstrumentとPlaneWaveが多い感じがします。
AstroBinでは自分好みのフォトグラファーの機材はPlaneWaveが目につくようになってきました、国内ではあまり導入事例がないけどタカsiさんが素晴らしい結果を出してます。持ってる鏡筒全部使いたい派の私はフォークアームのインサイドとアウトサイドに搭載できるのもポイント高いです。
Mathis Instrumentは国内代理店があるというのはメリットですが並行輸入物もみてもらえるかは未知数です、というか普通はダメでしょうね。

とりあえずコンタクトしてみますか?
メーカーではなくディーラ、つまり海外ショップに。

21. フォーカサーはどうするか?

えー、時系列にはなっていませんが、GS-400RC\TR鏡筒のフォーカサーについての話になります。

標準で付属する接眼部は手動のクレイフォード式です。知っての通りGSのクレイフォードは評判が悪く、海外のフォーラムを覗いても、このパーツがネックで交換必至というくらいケチョンケチョンに言われてます。クレイフォード式では避けられないことかもしれませんが摺動の調整が厄介で、スムーズに動かせてピタッと止めるのが難しい点にあると思われます。EFW付きなど重いカメラを接続するとずり落ちてしまう危険性があります。EAFで固定してしまえば弱点を補える可能性はあります。

私のところにきた鏡筒の接眼部は、それ以前に傾いている?と思われるように見えました。接眼部を外し変換リングで2インチスリーブにした状態と、この接眼部の2インチスリーブとで、レーザーコリメーターの光がズレるからです。

いずれにしろ眼視では使用しないので長いトラベルは必要ありませんから、フランジ型のフォーカサーに交換するつもりでした。トラベルは10mmあれば充分です。
ちなみにε-180EDのβ-SGRは4mmです。

 

いくつか候補は調べました。残念なことに全部海外製です。

・MoonLight NiteCrawler ローテーターと一体となってます。

 

・Primaluce Lab ESSATOフォーカサーとARCOローテーターの組み合わせ

 

・Optec Gemini この薄さでローテーターと一体です

 

何を基準に候補出ししてるのかとお思いでしょうね。

第1に口径です。
フルサイズカメラを使うつもりでしたので、3インチ(M68)必要です。RC光学系はフラットナーまたはフラットナーレデューサーが必須ですが、大体2インチか3インチが入手しやすいです。2インチの補正光学系を入れてしまうと周辺減光が激しいです。

第2に薄さです。
CMOSカメラは比較的バックフォーカスが短いので自由度がありますが、CCDカメラやさらにはAO(補償光学)を入れると1mmでも多くバックフォーカスが欲しい場面があります。

あとは価格と納期という感じでしょうか。

今回私が選んだのはESSATO + ARCOです。

以下お手製のシステムチャートです。

 

20. メイン鏡筒の行方は?

赤道儀と並行して、メインとなる長焦点鏡筒を手配していました。

途中、C14の中古が格安だったりして迷いましたが、笠井トレーディングのGS-400RC/TRを発注してました。

お金があればハッブルオプティクス、PlaneWave、ASAなどよりどりみどりですが、みんなクルマが買えそうなお値段なので無理!

 

この見積もりには逆らえません(でも後で痛い目を見ます...w)

 

3ヶ月くらい待ったでしょうか、やってきましたドでかい箱が

 

開封の儀w なんともシンプル

 

とりあえず赤道儀に載せてみます、狭っ苦しいですね。

 

接眼部から覗いてみると...う〜ん、副鏡のセンターマークが微妙にズレているような気がする。

 

焦点内外像、妙なムラはなんだろう、一応円形ではあるけれど。

 

焦点像、光条の片側だけ割れているように見える、ということは光軸があってない?

 

もう一度接眼部から見ると、どうみてもセンターマークだけが合ってない。
バッフルチューブの内面も結構反射光が強いですね。

 

こんなことしたり。


こんなことしてみたりしてるうちに何が正解かわからなくなってしまった(笑)

もし、副鏡のセンターマークが光軸中心からズレていたら光軸修正のしようがないはず。そこで代理店に問い合わせてみました。

 

私からの問い合わせ

輸送時の振動等で光軸がずれているかと思われますが、当方にて光軸調整するにあたり、一点確認させていただきたいことがあります。
写真の中心部には黒い小さな円(スマホのレンズ)と少し左上にドーナツ状の円(副鏡のセンターマーク)が見えるかと思います。
そこで質問ですが、
RC鏡筒の場合、副鏡のセンターマークが正しく光軸中心に貼られている必要があります。
この鏡筒の場合、副鏡の物理的中心とセンターマークが2〜3mm程度ずれています。(副鏡と同径の円形グラフ用紙で確認しました)
センターマークは必ずしも鏡の中心にある必要はなく。光軸の中心にあれば良いと考えていますが、
この鏡筒は納品時からセンターマークからずれて見えていたため、センターマークが誤って貼られているか、正しく光軸中心に貼られているかの判断ができません。
メーカーがセンターマークを貼った位置が後者であるということは確認できますでしょうか?

 

代理店の回答

まず、副鏡のセンターマークは「貼られている」のではなく、レーザー刻印によって「彫られて」いるものです。この点はよろしくご確認下さい。
このマークはそれほど厳密なものではなく、あくまで室内調整時における「目安」のようなものです。
通常、カセグレン系の光軸調整は、第一段階として室内にて大まかな主・副鏡調整を行ない、第二段階として星像実視検査で光軸を正確に追い込んでゆく、という順序になります。
星像実視検査による追い込み作業の終了後、再度室内検査をしてみると、中心点が微妙にズレて見えたりすることはよくあることです。
これは鏡筒構成部品の僅かな組立誤差や、中心点位置の誤差等に起因するものであり、決して光軸がズレていることを意味するものではありません。星像実視検査で正確に光軸を追い込めたなら、間違いなく光軸は合っています。
最優先すべきは星像実視検査による光軸追い込みの結果であり、間違っても室内調整による結果を優先すべきではありません。仮にこの2つに齟齬があったとしたら、100%前者を優先すべきです。

 

この個体についてズレているかズレていないかを聞いているのですが、一般論な回答です。納品時検査をしていないということがバレてます(笑)

 

これ以上は水掛論になってしまうので第三者にお願いすることにしました。
この鏡筒を発注する前に発見していたのです、田中光化学さんがこの鏡筒(正確には台湾GSO社の16インチRC鏡筒)のチューンナップサービスを提供しているということを。

しばらくサヨナラすることになってしまいました。

 

残る手持ち鏡筒でしばらく過ごしましょ、ということで、クリーニングとか光軸確認とかしていました。

ε-180EDの中をライトで照らしてみました、結構埃に塗れています。最近買ったエアコンプレッサーで吹き飛ばしますが、まだ曇っているような気がします。ε-180EDの主鏡を外して流水で洗浄したところ、何やら曇りのようなものと細い線があるではありませんか!
ワンオーナーで、鏡面を拭いた記憶はありません。おそらく埃っぽいルーフの中でエアコンプレッサーで吹いた時についたものとしか思えません。強く吹きすぎたか?

もう見てしまったからには放置できません。
こちらは機材保守で評判の良いお店にクリーニングを依頼しました。

 

見ていただいた結果、曇りはクリーニングで取れそう、でも細い線は傷なので再メッキしないかぎり消えない、もしかしてガラスまで到達する深い傷であったならば再メッキしても跡が残るかもしれない、と。

でもやるしかないです、またしばしサヨナラです。

教訓「鏡を見るな、呪われるぞ!」

 

19. RST-300がおかしい?

観測所の建設と同時に、これまで遠征、近征でメインで使用してきたEM-400をサブとして、新たにRST-300というハーモニックドライブ赤道儀を導入しました。

 

これが曲者で...

ガイド星がシャープでないということもあるでしょうが、この精度では超焦点では使えません。さらに問題なのは15分ほどするとピョコンとジャンプしまいガイド星を見失います。再度ガイド星を選択し直しても、また15分後にピョコンw 常に南北方向です。
この件で代理店を経由してメーカーに問い合わせましたが「鏡筒が太すぎるかもとか、締め付けが甘いかもしれない」といった歯切れの悪い回答です。いや、だってC14でデモってるじゃない。
代理店もこの一般的な回答ではまずいと思ったのか、高度調整ノブを壊れるかと思うほど締め付けて改善した事例を紹介してくれましたが、定期的にピョコンは明らかにギア周りでしょ。

鏡筒を変えたり色々しましたが、ガイド精度もピョコンも改善しないため見切りをつけることになりました。

 

クリートピラーもこの特製プレートもボツに(涙)